その4 タイヤについて


実は世間のあまり知らないところで「Sタイヤ(セミレーシングタイヤ)」という特殊なタイヤが売られています。乗り心地や燃費,ロードノイズ,耐摩耗性なんていうのは一切無視,タイヤの溝も必要最低限だけ,その代わりめちゃくちゃハイグリップ...という限りなく「競技専用」に近いタイヤなのですが,一応,普通のタイヤショップでも取り寄せで購入することはできるものです。

ジムカーナではこの「Sタイヤ」を使うことが主流ですが,値段が高いわりにすぐ擦り減ってしまう(というか融けて削れていく)し,ちょっと山が減るとグリップが下がってしまうのでもう練習用にしか使えない,という非常に不経済なシロモノ

それでも年間を通じて本格的にシリーズを戦おうと思うと,どうしてもこの値段の高いSタイヤを湯水の如く消費していくことになるんです(泣)。結局,世のおとーさんが趣味でモータースポーツをやる上で最も頭を悩ますのがタイヤ代のやりくり,ということになってしまうんですね。

また超ハイグリップのSタイヤを使うことで結果的に足回りや駆動系への負担も大きくなり,パーツの消耗やクルマ本体の疲労も進みやすいということもありました。


BSの代表的なSタイヤ RE55S。セミレーシングタイヤです。
見ての通りミゾは最小限,ゴムは非常に柔らかく,超ハイグリップです(笑)


そこでジムカーナのS1500クラスでは,このSタイヤを思い切って排除してみたんですね。つまりSタイヤではない普通のスポーツラジアルを使って競技をやりましょう ということになりました(ネオバとかRE11とか☆スペックとか)。またタイヤサイズも純正よりも1サイズアップまで,最大でも195幅まで,という制限を設けました(S1500開設当初は185幅まで)。


これらのタイヤ制限により,

・タイヤ自体の値段が安く,かつSタイヤと比べて圧倒的に長持ちする。経済的!

・ホイールもせいぜい15インチのものでOK。これも経済的!

・バネ下重量が軽減されてクルマの動きも軽快。

・乗り心地もロードノイズもSタイヤよりだいぶマシ。普段からタイヤは履きっ放しで済むので,タイヤを本番用と普段用の2セット用意する必要がない。

・燃費もいいのでエコ! ガソリン代も安くなる。

・Sタイヤと比べタイヤの限界が低く特性もマイルドなので安全。初心者にもOK。

・クルマへの負担がかなり軽減される。ドライブシャフトなども折れにくい。

・みんながだいたい同じサイズのタイヤを使うことになるので,イコールコンディションを保てる。

・・・このようにもう良いことばっかり(笑)。



S1500では普段履いてるタイヤそのままで走行OK!


何かデメリットがあるかというと......ない(笑)。

強いて言えば,一般にスポーツラジアルタイヤといってもメーカーや銘柄によってだいぶ性格が違うので,本気で上位を狙おうとするとタイヤの選択が難しい,っていうことぐらいか。

因みにフロントタイヤは195/50-15サイズを履いてる方が多いようです。リアは人によってまちまちで,14インチのタイヤを履いてる方もおられます。いずれにしてもフロントに対してリアの限界を下げ,クルマの回転性能を高めるセッティングをしている方が多いようです。それだけクルマ自体は安定してるってことですね。

タイヤの銘柄はTOYOのR1R,DUNLOPのZ1☆スペック,ADVAN NEOVAなどが多く,私のようにBSタイヤ(RE11,RE01R)を履いてる人は少数派です。このへんは狙ったサイズが発売されているかどうかも関係してきます。

ただ,よほど上位を狙うのでない限り,このクラスは腕次第の面もあるので,あまりタイヤのサイズや銘柄にシビアにならなくても良いように思います。


※競技規則や車両規定は時々変更があります。実際の車両作成や競技
参加にあたっては,必ず自分の地区のJMRCのサイトなどから当該年度の
競技規則と車両規定をご確認下さい。



今回のまとめ

・S1500クラスでは,タイヤはスポーツラジアル限定。
・Sタイヤを使わないことで低コスト,低リスクで競技を楽しむことができる。もちろんモータースポーツ入門にも最適。
・タイヤをスポーツラジアル限定とすることで他にもいろいろ良いことがいっぱい。
・フロントタイヤのサイズは195幅で15インチ程度を選択している人が多い。
・リアはフロントに比べて若干限界を下げてクルマの回転性能を上げる方向でセッティングしている人が多い。この辺はドライバーの好みの問題。
・ただ,よほど上位を狙うのでなければタイヤのサイズや銘柄選択にあまり神経質になる必要はなし。結局は腕の勝負。


Updated on May 6, 2009.